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 「ブラッサイ - ポンピドゥーセンター・コレクション展」
                             東京都写真美術館   2005/8/6(土)〜9/25(日)

 ブラッサイ - Brassai

 ふぉとなびをご覧の皆さんの中でも、この名前を知らない方もいらっしゃるかもしれません。

 ブラッサイは本名をジュラ・ハラースといい、1899年ハンガリー(現在のルーマニア)のブラッソーに生まれました。当初は画家を目指していましたが、1924年にジャーナリストとしてパリへ移り住んだのをきっかけに写真を始めます。しかも、そのときカメラを借りて写真の手ほどきを受けたのがアンドレ・ケルテスというからすごいですよね。そしてこの頃から、「ブラッソーの人」という意味のブラッサイと名乗り始めます。

 今回の写真展では、この頃に撮影された彼の代表作である夜のパリ、昼のパリ、MoMA、ミノトール誌でのヌード、様々な落書きを撮影したもの、写真以外にも彫塑やデッサンも数多く残しており、それらをれらの写真も展示されています。

 その中でも、私が大好きなのは最初に展示されている「夜のパリ」です。文字通り、夜が更けてからのパリのカフェや静寂さに包まれた街並みを撮影し、1932年写真集「夜のパリ」を出版、名声を手に入れることとなります。大型のビューカメラに三脚やマグネシウム・フラッシュなどを駆使して、幻想的な光景を写し出したこの写真集からも多くの写真が展示されていました。その中で私が気に入ったのは、ウルク運河に架かる橋の柵の影がビルの壁面に写った様子をとらえた写真です。

 他にも2つ目の「昼のパリ」で、グラシエール大通りの行き倒れに人々が気づき救急車で運ばれていくまでの様子を撮影した、定点からの8枚の組写真が印象に残りました。

 かのアンリ・カルティエ=ブレッソンは、「ブラッサイから大きな影響を受けた」と生前に語っています。このことからも、ブラッサイは現代写真の基礎を築いたといえると思います。そんな彼の作品がこれほど国内で展示されることは、この先しばらくはないかもしれません。みなさんもぜひご覧になってください。


 東京都写真美術館 http://www.syabi.com/

 写真家別ページ ブラッサイ(Brassai)

 開館10周年記念展
       「第二次世界大戦 日本の敗戦: キャパ、スミス、スウォープ、三木淳の写真」
                      清里フォトアートミュージアム   2005/7/2(土)〜10/23(日)
 先日、清里に行く用事があり、以前から行きたいと思っていた「清里フォトアートミュージアム」にも行ってきました。清里といえばブームが去った後は、正直あまり良いイメージを持っていなかったのですが、この美術館は非常にきれいな施設だったので、清里の印象が少し変わりました。

 清里フォトアートミュージアムは、東京都写真美術館と同じく、今年で開館10周年だそうです。10周年記念展として「第二次世界大戦 日本の敗戦」と題して、ロバート・キャパW・ユージン・スミスジョン・スウォープ三木淳の写真展が行われていました。ドキュメンタリーの王道の戦争写真とあって、少しヘビーかなと思ったのですが、無用な心配でした。それは、戦場の光景よりも人間に焦点を当てた作品が多く展示されていたからです。

 この4人の組み合わせは意外だなぁと思ったのですが、キャパはインドシナで地雷に触れて亡くなる直前に来日して撮影していますし、スミスは太平洋戦争のサイパンや沖縄を撮影し、戦後は水俣病なども取材しています。スウォープは終戦直後の日本を撮影していますから、三木淳はもちろん、4人ともほぼ同年代で日本に所縁のある写真家といえるでしょう。

 最初はあまりにも有名なキャパの「ノルマンディー上陸作戦」の写真が展示されていました。他にも、戦後のフランスでナチスに協力した女性を丸刈りにしてさらし者にしたり、捕虜として連行されるドイツ兵の後について歩くフランス人女性を写した写真などは、戦争によって醜く変わってしまった人間の心、逆に終戦によっても変わらなかった男女の愛情など、人間の内面を深く映し出していました。ロバート・キャパについてはロバート・キャパのページもご覧ください。
 それと同時期の地球の裏側、サイパンや沖縄などでは、W・ユージン・スミス(1918-1978)が、アメリカ軍によって進攻される日本の最前線を記録しています。特にサイパン山中で発見された瀕死の幼児の写真は、戦争で犠牲となった一般市民の惨状をリアルにとらえています。
 そして、150点以上もあるこの写真展の4分の3を占めるのがスウォープの写真です。ジョン・スウォープ大尉(1908-1979)は、1945年8月28日に写真家エドワード・スタイケンが率いるアメリカ軍特別写真班の一員として来日し、品川、浜松、名古屋、釜石などを約1ヶ月間にわたって撮影しました。その写真に写ったものは、日本の終戦直後の悲惨な光景ではなく、アメリカ人への敵意をむき出しにした日本人の表情でもなく、親しげに微笑みかける日本人たちでした。家へ招待してくれた日本人家族の生活を撮影した写真、純粋な笑顔で微笑みかける子供たちをとらえた写真からも、アメリカを憎まなかった日本人の穏やかな性格が、戦後の高度経済成長を支えていった気がします。また、人々の服装や街の景色などから当時の生活を垣間見れることも、彼の写真の面白さだと思いました。
 そして写真展の最後を飾るのは、三木淳(1919-1992)の作品です。9年間の後にシベリアから引き上げたある日本兵のルポルタージュ「赤軍故郷に帰る」から25点の写真が展示されています。戦場故郷に戻ってきた家族を駅で迎える家族、帰国のお祝いで鯛などを届ける近所の人たち、9年ぶりの我が家で軍服を脱ぎ浴衣に着替える様子を写した写真などからは、60年も前の日本人の姿をいきいきと感じ取ることができました。

 戦後60年、憲法第9条改正の議論が持ち上がってきた今、当時の普通の日本人を克明に記録したこのような写真は、非常に価値があります。現代の日本人はこのような写真をよく見るべきだと感じました。

 まだ行ったことのない方、きれいな空気ときれいな写真美術館を一緒に体験する価値は十分あると思います。避暑も兼ねて清里へ行ってみてはいかがでしょうか。

清里フォトアートミュージアム http://www.kmopa.com/

 10周年記念特別企画  東京都写真美術館コレクション展
       「写真はものの見方をどのように変えてきたか 第2部 -創造-」
                          東京都写真美術館  2005/5/28(土)〜7/18(月・祝)

 恵比寿ガーデンプレイス内にある東京都写真美術館で、10周年を記念して特別企画「写真はものの見方をどのように変えてきたか」が4部構成で開催中です。現在行われているのは第2部の「創造」です。私も見に行ってきました。

 ちょうど学芸員の方が解説をしてくれる時間だったので、詳しく説明を聞くことができました。見に行かれる方には、学芸員によるフロアレクチャーを聞いてから、ゆっくり自分で見ることをおすすめします。自分で見ただけではわからないことを説明してもらえるので大変おもしろいです。毎月第2、第4金曜日の午後4時から行っているそうです。詳しくは、東京都写真美術館のページをご覧ください。

 前回の第1部「誕生」は、ダゲレオタイプやカロタイプなど19世紀に普及した欧米に衝撃を与えた写真技術がテーマでしたが、第2部は写真が自己表現のための「芸術」として認められた19世紀末から1930年代頃までがテーマです。

 まずは絵画の影響が強く残っていた頃の写真、絵画主義の写真が展示されています。中でもヘンリー・ピーチ・ロビンソンの「夜明けと日没」は、新生児と老人を夜明けと日没に例え5枚の写真を合成して作られていて、まるで宗教画のようです。

 絵画主義に対して、よりリアリティある写真を目指したのがピーター・ヘンリー・エマーソンを中心とした自然主義と呼ばれるムーブメントです。エマーソンの「沼地からの帰路」(左の写真)はその代表作で、アルフレッド・スティーグリッツにも影響を与えました。
 スティーグリッツは「フォトセセッション(写真分離派)」を結成、「カメラワーク」誌を創刊したり、スタイケンが住んでいた隣の部屋に「291ギャラリー」を開設、リアリティあふれる作品を発表していきました。

 その後、ライカや感光剤の高感度化などにより、すばやく見たままに撮影できるようになり、ストレートフォトと呼ばれる記録的な意味合いの強いものやドキュメンタリー色が強い作品が増えてきました。

 この写真展でお得だなと思ったことは、ブレッソンウォーカーー・エヴァンスブラッサイアンドレ・ケルテス木村伊兵衛といった写真界の巨匠たちの作品が展示されていることです。これらの写真を一度に見られただけでも行った甲斐がありました。

 写真展の最後には、前衛的な視覚的な面白さを追求したシュールレアリスムの代表的存在であるマン・レイなどの不思議な作品で締めくくられています。現像の仕方を変化させることによってできるソラリゼーションであるサバティエ効果を利用した作品も展示されています。

 第1部は技術的なテーマでしたのであまり興味を持たない人も多かったかもしれませんが、第2部は有名な写真も展示されていて、非常に面白かったです。ぜひ見に行ってください!おすすめです。


<---スティーグリッツ、マン・レイについて、詳しくは左の写真をクリック!

 「木村伊兵衛写真賞の30年展  「時代を切り開くまなざし」
                      
川崎市市民ミュージアム 
   2005/4/23(土)〜6/19(日)
川崎市民ミュージアム - 木村伊兵衛写真賞の30年展 木村伊兵衛賞30周年を記念して、過去に受賞した36人の400作品を展示した写真展が、川崎市民ミュージアムで開催されています。第1回受賞者、「北井一夫」から2004年度受賞の「中野正貴」まで、全ての受賞写真家作品が一挙に公開された大規模な写真展です。

私も見に行ってきましたが、時代によって大きく写真が変化していることがよくわかりました。まさに、日本の写真史を見ることができます。

ふぉとなびでは、木村伊兵衛賞ページを開設いたします。歴代の受賞者には、現在の日本写真界をリードしている「藤原新也」、「岩合光昭」、「倉田精二」、「宮本隆司」などの名前が並んでいます。最近では「蜷川実花」、「佐内正史」など新しい感性を表現する写真家が多く受賞しています。
詳しくは特集ページ「木村伊兵衛賞の30年」をご覧ください。

また、賞の名前になっている木村伊兵衛自身が、パリを撮影したカラー作品「Paris 1954-1955」も20点、特別展示として公開されています。この作品は、昨年フランスのアルル写真祭で約30年ぶりに発表され大評判になりました。
詳しくは、以下のgoogle検索ボタンより、川崎市民ミュージアムのページをご覧ください。

特集ページ:木村伊兵衛賞の30年

川崎市民ミュージアム http://home.catv.ne.jp/hh/kcm/
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